改正の背景
毎年、住宅ローン控除額が住宅ローン支払い利息額を上回る状況が生じていることを踏まえ、見直しが検討されることとなりました
改正内容① 控除率が引き下げられます
令和4年以降に入居する分から住宅ローン控除の控除率が引き下げられることとなりました
具体的な控除率及び控除期間は下記表のとおりです
居住年 | 借入限度額 | 控除率 | 控除期間 | |
新築住宅等の場合 | R4・R5 | 3,000万円 | 0.7% | 13年 |
〃 | R6・R7 | 2,000万円 | 0.7% | 10年 |
中古住宅等の場合 | R4~R7 | 2,000万円 | 0.7% | 10年 |
認定住宅(認定長期優良住宅・ 認定低炭素住宅)の場合 | R4・R5 | 5,000万円 | 0.7% | 13年 |
〃 | R6・R7 | 4,500万円 | 0.7% | 13年 |
ZEH水準省エネ住宅の場合 | R4・R5 | 4,500万円 | 0.7% | 13年 |
〃 | R6・R7 | 3,500万円 | 0.7% | 13年 |
省エネ基準適合住宅の場合 | R4・R5 | 4,000万円 | 0.7% | 13年 |
〃 | R6・R7 | 3,000万円 | 0.7% | 13年 |
中古の認定住宅等の場合 | R4~R7 | 3,000万円 | 0.7% | 10年 |
改正内容② 所得要件が引き下げられます
住宅ローン控除の制度を適用できる対象者の所得要件が2,000万円に引き下げられました
(改正前)合計所得金額 3,000万円以下 ➡ (改正後)2,000万円以下
特別特例取得(コロナ特例)
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済対策として、特別特例取得に該当する住宅の取得等については、控除期間13年(控除率1%)で住宅ローン控除の適用ができるようにされています
この特別特例取得に該当する契約とは、下記のとおりです
新築住宅等の場合
契約終結期間 : R2.10.1~R3.9.30
中古住宅等の場合
契約終結期間 : R2.12.1~R3.11.30
※なお、これらの契約に該当する場合、令和4年の年末までに居住することが必要です
住宅ローン控除の適用を受けるためには(初年度)
住宅ローン控除の適用を受けるためには、初年度(住み始めた年)に確定申告を行う必要があります
確定申告を行うために準備すべき書類は、数が多いので、下記にまとめました
↓↓↓
確定申告をし忘れていた場合
もし、初年度に確定申告をするのを忘れた場合には、5年以内に還付申告をすれば、さかのぼって住宅ローン控除を受けることができます
ちなみにこの5年というのは、マイホームに住み始めた年の翌年1月1日から5年間です
確定申告はしていたが住宅ローン控除の適用をし忘れていた場合
こちらの場合については少し厄介です
というのは、確定申告はしていたが、確定申告書の提出後に税金を納め過ぎたり、還付金が少ないことに気付いたときは、「更正の請求」という手続きにより、税金を戻してもらうことができます
しかし、住宅ローン控除の適用を忘れたときは、更正の請求はできないことになっているんです
なので、更正の請求ができないのであれば、あとは更正の嘆願をしてみるしかありません
更正の嘆願とは、税務署に対して「更正をして下さい」とお願いをする手続きのことです
ただし、更正の嘆願は正式な手続きではないため、住宅ローン控除が認められるかどうかは税務署の判断になります
住宅ローン控除(2年目以降)
2年目以降は、勤務先の年末調整で住宅ローン控除の申告が可能です
初年度に住宅ローン控除を含む確定申告を行った場合、その年の10月下旬頃に税務署から「年末調整のための住宅借入金等控除証明書」が届きます
こちらの用紙と、金融機関から届く「借入金の年末残高証明書」を勤務先に提出してください
年末調整の際に勤務先に住宅ローン控除の書類を出し忘れた場合
この場合、住宅ローン控除を受けるための方法は2つあります
1つ目:年末調整
1つ目は、勤務先で再度年末調整をしてもらう方法です
法的には1月末までであれば年末調整の修正対応してもらうことができるため、もし出し忘れてしまった場合には一度勤務先に相談してみましょう(勤務先によっては、再年調できないので、ご自身で確定申告してくださいといわれることもあります・・・)
2つ目:確定申告
2つ目の方法は、ご自身で確定申告を行う方法です
初年度の手続きと同様に確定申告を行うことで申告が可能です
ただし、2年目以降は、初年度のようにたくさんの書類を用意する必要はなく、年末調整と同様、「年末調整のための住宅借入金等控除証明書」の用紙と、金融機関から届く「借入金の年末残高証明書」のみでOKです
まとめ
住宅ローン控除で戻ってくる還付金の額は結構大きいので、必ず忘れないように申告をするようにしてください
また、もし初年度に申告を忘れてしまった場合にも、諦めずに還付申告を行うようにしましょう
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