電子取引データの保存方法が変わります
電子取引の取引情報に係るデータをこれまで書面に出力して保存している法人や個人事業主の方も多かったのではないでしょうか?
この電子取引データの保存方法が変わります。
具体的には、書面出力をして保存している場合、保存すべき電子取引データの保存がなかったものとみなされてしまうのです。
新たに始まる電子取引データの保存方法
では、この先、電子取引データの保存は、どのように行えばいいのでしょうか?
保存方法としては以下の2通りの方法があります。
1つ目 : 専用のソフトウェアを導入する
法律で定められている要件を満たした保存システムを導入して保存する方法です。
システムを提供している会社に依頼して「タイムスタンプ」と呼ばれる証明書を各電子取引データに付与してもらい、データを保存する方法です。
タイムスタンプとは
タイムスタンプとは、ある時刻にその電子データが存在していたことと、その時刻以降に電子データが改ざんされていないことを証明するもので、認定されたタイムスタンプ事業者により発行されます。
タイムスタンプは、書類を受け取ってから原則7日以内に付す必要があります(最長でも2か月と7日以内に付与)。
メリット
タイムスタンプ事業者に依頼をするため、事務作業の負担を軽減することができる
デメリット
タイムスタンプ事業者を利用するにあたって利用コストがかかる
法的な要件を満たしたタイムスタンプかどうか見極める必要がある
2つ目 : 専用のソフトウェアは利用せず、社内のルールを策定して、任意のフォルダに格納して保存していく
電子取引データの保存にあたり、社内で一定のルールを設け、任意のフォルダに電子取引データを保存していく方法です。
具体的には・・・
①請求書等のデータのファイル名に規則性をもたせた内容を表示して保存する。
例えば、2022年10月5日に株式会社A商事から受領した220,000円の請求書の場合
→ファイル名「20221005 ㈱A商事 220,000」として保存
この場合、保存先のファイルは取引の相手先や月別など、任意のフォルダに整理して保存してく必要があります。
注意点
ファイル内の情報の検索がファイル名から容易に検索がかけられるようにしておく必要があります。
②電帳法施行規則第4条第1項第4号に規定する「正当な理由がない訂正および削除の防止に関する事務処理の規定」を作成して会社に備え付ける
「正当な理由がない訂正および削除の防止に関する事務処理の規定」 はこちらからダウンロードできます↓↓↓
電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程(法人の例) 電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程(個人事業者の例)メリット
費用をかけることなく始めることができる
デメリット
事務負担が大きい
保存期間中にデータが消失しないようにバックアップを取るなどの対策が必要(保存期間は最長10年間)
令和4年1月1日から始まります
電子帳簿保存法は令和4年1月1日から始まります。
令和4年1月1日から令和5年12月31日までは宥恕措置が設けられました。
この期間、保存要件に従って保存ができていなかったとしても、やむを得ない事情がある場合には、引き続き出力書面による保存が可能となります。
ただし、あくまでもやむを得ない事情がある場合とされていますので、令和4年1月1日から順次新方式による保存を始めるようにしてください。
電子取引データとは
・電子メールによる請求書や領収書等のデータ(メールに添付されたPDFの請求書)
・ホームページ上からダウンロードする請求書や領収書のデータ(amazonや楽天など)
・電子請求書や電子領収書の授受に係るクラウドサービスの利用により取得するデータ
・クレジットカードの利用明細データや、交通系ICカードの支払いデータ
・ペーパーレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用して取得したデータ
などが該当します。
違反すると・・・
青色申告の承認の取消しの対象となるので注意が必要です 。
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