賃貸用マンションの貸付事業を行っていた方がお亡くなりになった場合、その賃貸用マンションなどを相続すると、それらの評価額はどのように計算するのでしょう?
マンションの建物部分と、その敷地、そして建物周辺の塀や門扉などはそれぞれ評価の方法が異なります。
賃貸用マンションの敷地の評価
賃貸用マンションの敷地の評価方法は通常の自用地とは少し異なります。
① 通常の土地の評価を行う
② ①の自用地評価額 × (1-借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
賃貸用マンションの建物の評価
建物の評価額は、通常は固定資産税評価額をもってその評価額とされます。
しかし、賃貸用マンションの場合はこれに借家権割合と賃貸割合を加味して評価することとなります。
① 固定資産税納税通知書に記載されている建物の固定資産税評価額を確認
② ①の固定資産税評価額 × (1-(借家権割合 × 賃貸割合))
賃貸用マンションの附属設備で建物と‟構造上一体”となっているもの
附属設備のうち、家屋と一体となっているようなものについては、その家屋の固定資産税の評価額にその附属設備の金額が含まれている為、別個に評価をする必要はありません。
例えば・・・
ガス設備や給排水設備、エレベーター、消火設備などがこれに該当します。
賃貸用マンションの外構設備など、建物とは別個の設備
門や塀など、建物とは別個の外構設備は、下記の金額を評価額とします。
( 再建築価額 − 建築の時から課税時期までの期間の減価償却費 ) × 70%
※再建築価額とは、その課税の時期にその財産を新たに建築すると考えた場合に必要となる費用の額をいいます
※減価償却費の額は定率法により計算します
賃貸用マンションに付随する庭園設備
庭園設備などは、下記の金額を評価額とします。
その設備の再調達価額 × 70%
まとめ
このように、賃貸用マンションとそれに関する資産については、居住用及び自家用として使用する資産とは評価方法が少し異なるため、財産評価の場合には注意してください。
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