新型コロナウイルスの影響をふまえた雇用調整助成金の特例措置を詳しく解説(2020年6月18日現在)

新型コロナウイルスに関する助成金関係

雇用調整助成金とは

景気の変動などに伴う経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、 一時的に休業をしたり、教育訓練を実施した場合、または出向を行って労働者の雇用の維持を図る場合に、休業手当や賃金などの一部を助成する制度です。

雇用調整助成金の特例措置

今回の特例措置は、新型コロナウイルスの影響により業績が悪化したなどの理由によって事業主が従業員を休ませた場合に、その従業員に対して支払った休業手当の一部を助成するものとなっています。

厚生労働省のリーフレットはこちら

雇用調整助成金の特例措置の実施期間(緊急対応期間)

2020年4月1日から2020年6月30日までの期間を緊急対応期間としています

緊急対応期間が2020年2月27日から2020年9月30日までの期間に延長されました。

支給対象となる事業主

雇用保険の適用事業主で新型コロナウイルスの影響を受ける法人及び個人事業主が対象となり、全業種が支給対象となっています。

なお、緊急対応期間においては、事業所設置後1年未満の事業主も支給対象となります。

休業の意味

雇用調整助成金の助成対象となる「休業」とは、所定労働日に従業員である労働者を休ませるものをいいます。単に事業所が営業を休むことをいうのではないので注意してください。

また、期間中に従業員を出勤させ、内部の事務処理等の業務をさせている場合は、 「休業」に該当しません。

なお、休業等の延べ日数が下記の場合に支給対象となります。

中小企業 : 対象労働者に係る所定労働日数の1/40以上

大企業 :  対象労働者に係る所定労働日数の1/30以上

申請のタイミング

雇用調整助成金の申請は通常1ヶ月ごとに行いますが、緊急対応期間においては複数月をまとめて申請することができます。

つまり、すでに休業を実施し、休業手当を支給している場合でも、2020年6月30日までは、9月30日までは、事後に提出することが可能です。

 助成金の支給基準

売上高または生産量などの事業活動を示す指標の最近1か月間の値が、前年同月比5%以上減少していることが基準となります。

事業所を設置して1年に満たない場合や、 前年同期に実質稼働していなかった場合は、 前年同期と比較できないため、2019年12月と比較してください。

※ 災害その他やむを得ない事情で比較対象月にすることが適当でない場合は、前々年同月と比較

なお、計画届を提出する場合、その提出する日の前月の生産指標と前年同月の生産指標を比較することとなります。

例えば・・・

4月から休業を開始し、5月に4月と5月分をまとめて計画届を事後提出する場合には、4月の売上と前年4月の売上を比較します。

※ 事業所設置後1年未満の場合には、4月と2019年12月との1ヶ月分の指標で比較します。

助成金の対象となる従業員の要件

今回の特例措置では、雇用保険の加入期間が6ヶ月未満の従業員や被保険者でない従業員であっても助成の対象となります。

つまり、 新規学卒採用者 や派遣社員、パート、アルバイトなども対象に含まれます。

雇用調整助成金の助成率

中小企業 : 4/5

大企業 : 2/3

解雇等を行わなかった場合には助成率がさらに上乗せされ、下記の通りとなります。

中小企業 : 9/10

大企業 : 3/4

なお、1人1日あたり15,000円が上限となります。

例えば・・・

中小企業者で平均給与の額が10,000円の場合、休業手当を7,000円(平均給与額の70%)支払うこととします。

従業員15人を20日間休業させると、

7,000円 × 9割 × 20日間 × 15人 = 1,890,000円

が助成金として支給されます。

支給限度日数

緊急対応期間中(2020年4月1日から2020年6月30日まで) に実施した休業に関しては、 通常の1年100日、3年150日とは別枠で支給を受けることが出来ます。

提出書類

支給までの流れは下記の通りとなります。

提出が必要な書類は計画届」と支給申請」ですので、流れに従って書類を作成し提出するようにしてください。

※2020年5月19日から計画届の提出は不要になりました。

申請書のダウンロード

申請に必要な様式はこちら(厚労省HP)からダウンロードできます。

雇用調整助成金に関するQ &A

雇用調整助成金に関するQ &Aが公開されています。

チェックしてみてください!

問い合わせ先

申請に当たってのお問い合わせは、近くの都道府県労働局またはハローワークに行ってください。

問い合わせ先一覧

新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金との違い

小学校等の臨時休業に伴い、子供の世話を行うことが必要となった社員に対して年次有給休暇以外の特別の有給 (賃金全額支給) を取得させた場合、事業主は、小学校休業等対応助成金を受給することが出来ます。

雇用調整助成金は、 業績が悪化したなどの理由によって事業主側からの指示により従業員を休ませた場合に、その労働者に対して支払う休業手当の一部助成。

その休業が事業主側からの指示であるか、労働者側からの申請であるかによって、申請する助成金を選択する必要があります。

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