ワンストップ特例で損をする!?ふるさと納税の仕組み

個人の税金(所得税・贈与税)

ふるさと納税とは

ふるさと納税は、ご自身のお住まいになっている自治体に納付すべき税金を自らが選んだ応援したい自治体に代わりに納付することで、応援したい地域の貢献にも役立ち、さらに返礼品ももらうことが出来るという非常にお得感のある制度です。

 そしてふるさと納税をした場合、そのふるさと納税をした金額の一部をその年納めるべき所得税の金額と、来年納めるべき住民税の金額から控除することが出来ます。

この控除をするためには確定申告をする必要があるのですが、ふるさと納税をした人が確定申告をしなくても税額控除を受けることが出来る「ワンストップ特例」という制度があります。

では、確定申告をした場合と比べて、ワンストップ特例制度を利用した場合、その控除される金額に違いはあるのでしょうか?

  

  

控除される金額の計算

ワンストップ特例を利用した場合、寄付金の額が控除されるのは住民税の額からのみとなります。

ワンストップ特例により住民税から控除される額は、下記の(A)+(B)+(C)の合計額です。 

住民税(基本分)からの控除(A)

 (ふるさと納税した金額 -  2,000円)× 10%

※総所得金額等の30%が上限となります

住民税(特例分)からの控除(B)

(ふるさと納税した金額 - 2,000円)×(100% - 10%(基本分)- 所得税率)

※住民税所得割額の20%が上限です

住民税申告特例控除分(C)

(B)× 所得税率 ÷ (100% - 10%(基本分)- 所得税率)

この(C)の部分が確定申告とした場合と異なります。

 

ワンストップ特例制度で損をする人

確定申告をした場合、上述の(C)の代わりに下記の金額が所得税額から控除されます。

所得税からの控除(D)

(ふるさと納税した金額 - 2,000円)× 所得税率

※総所得金額等の40%が上限となります。

通常は(C)=(D)となりますが、たまに例外があります。

   

上限の金額がポイントになります

では、ワンストップ特例を利用して損をする人とはどんな人か・・・

一言でいうと、上記(B)で計算した控除金額が住民税所得割額の20%を超えるような人です。

 

計算してみましょう

(前提条件を下記の条件とします)

ふるさと納税をした金額 : 202,000円 

所得税率 20.42% (20% ×1.021)

住民税所得割額 60万円

 ワンストップ特例の場合

(A)  (ふるさと納税した金額 202,000円 -  2,000円)× 10% = 20,000円

※総所得金額等の上限30%以下であると仮定

(B) (ふるさと納税した金額202,000円-2,000円)×(100%-10%-所得税率20.42%) =139,160円 > 600,000×20%=120,000      ∴ 120,000円

(C) (B)120,000円 × 所得税率20.42% ÷ (100%-10%-所得税率20.42%) =35,217円

(A)+(B)+(C) = 20,000 + 120,000 + 35,217 = 175,217円

 確定申告をした場合

(A)20,000円

(B)120,000円

(D)(ふるさと納税した金額202,000円-2,000円)× 所得税率20.42% = 40,840円

※総所得金額等の上限40%以下であると仮定

(B)+(C)+(D)=180,840円

となり、確定申告をした場合に比べてワンストップ特例を利用した場合の方が5,623円損をしてしまいます

確定申告は手間にはなりますが、特になるケースもあるので検討が必要です。

※もちろん損にならないケースもあります!

  

  

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